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Braitenberg Vehicles

  • 2007/02/02(金) 01:51:57

BraitenbergVehiclesとは、神経科学者であるBraitenbergによって考えられたエージェント群で、簡単なセンサーを通じて外界から刺激を受け、それに反応して行動する。

複雑な世界と自己が身体を通して相互作用して行く上でどのように知能が創発されるかに関して非常に興味深い示唆を与えてくれる。

その根底には、知能を考える上で、脳だけを捉えるのでは不十分で、身体と脳、環境の三体を考えて初めて意味があるという思想がある。

(日本でも人工知能という名の第五世代コンピューターを作ろうという試みがあったが、当時は脳だけを対象に扱っていて挫折を味わった)


今回、学科のプロジェクトでかなり自由度の高い課題が出たので、BraitenbergVehiclesを自分で作ってみる事にした。

とは言っても、実機で作った訳ではなく、コンピューターの中に仮想環境を用意し、その中で、身体を備えたVehicleを動かすシミュレートという形を取った。

そこで創発される知能は言わば写像された世界に於ける知能であり、こちらの世界とは異なる物ではあるが、思考実験としての本質は備わっている。


f:id:emsh:20070203012718p:image


%環境では摩擦、空気抵抗、衝突などの物理特性が盛り込まれている

%VehicleはEye、Touch、ColorSensorを備えていて、そこから受け取った刺激がNeuralNetworkを通じて動力に伝わる

%NeuralNetworkが遺伝アルゴリズムを通じて進化を続ける

%赤キノコで燃料を得る

%緑キノコで燃料が減る

%何もしていなくても燃料が減る



始めはVehicle達は非常に幼稚な動きしかしなかったが、学習を進めるに連れ、知的な動きを見せる様になって行った。(緑を避け、赤だけを食べるとか)


非常に面白いのは、育てる環境によって、例えばキノコへの対応が変わってきたことだ。

例えば緑キノコを食べた時の燃料の減り具合が小さい時は、別にそこまで緑キノコを気にしていないが、燃料の減り具合を大きくすると、大げさに思えるほど緑キノコを避けるようになった。

これが意味するのは、それぞれの環境の中でVehicleが、その環境の中のObjectに対して自分自身で意味付けをして行き、関わり方を学んでいったってことだ。

環境に立脚したロボットの可能性に、喜びを隠せなかった。


とまあ、こうしてVehicleは知能を得ることに成功した訳だが、この知能ってのは一般に考えられている知能とは一線を画す所がある。

それは、冒頭でも述べたが、Vehicleが身体を通じて環境と相互作用する中で生まれた物だと言う点で、この知能は所在が"相互作用する中"という非常に曖昧な場所にある点だ。



それは、身体性認知科学という分野でおおいに研究されていることで、特に新しいことでもない。

今回のプロジェクトで自分がやったことは、自分でそれを作ってみることで、知識を実感に変えようってことだったと思う。

非常に興奮に溢れた3週間だった。

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